エコキュート交換の価格相場から業者選びまで詳しく解説

このセクションでは、省エネ給湯システム「エコキュート」の取り替えについて詳しく解説しています。

光熱費が安く、省エネで環境にも配慮されたエコキュート。でも、交換する時は……。

• 交換工事を依頼する業者はどこに決める？
• 交換工事の費用は？
• エコキュートのメーカーはどれに選ぶ？

疑問がたくさん出てきますよね。ここからは、エコキュート交換のために知っておきたい重要な情報を詳しくお伝えします。

最後までお読みいただき、エコキュートの交換に際しての参考にしてください。
なお、この記事の作成者である埼玉エコキュート交換センターは、株式会社Earth22（アーストゥエンティートゥ）が運営しています。きちんと身元を明かし、責任をもって嘘や偽りのない正確な情報提供に努めることをここに誓約いたします。

エコキュートについて

正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」であるエコキュートは、ヒートポンプ技術により空気中の熱を活用してお湯を沸かす給湯システムです。

このシステムは、熱源として空気をファンで取り入れる「ヒートポンプユニット」と、沸かしたお湯を貯めておく「貯湯ユニット」の2つのユニットから成り立っています。

関西電力の登録商標であるエコキュートは、「エコ：Eco」と「キュート：給湯」を掛け合わせた名称です。

エコキュートのメカニズム

出典：ダイキン（https://www.ac.daikin.co.jp/sumai/alldenka/ecocute/structure）

エコキュートは水をどのようにしてお湯に変換するのでしょうか？そのメカニズムを説明します。

①ヒートポンプユニットのファンが外気から熱を取り込みます。このとき、「空気熱交換器」を経由し、冷媒（二酸化炭素：CO2）が膨張弁で低温から暖かくなります。

②暖められた冷媒は「圧縮機」に送られ、電力によって圧縮されることで、さらに高温になります。
※外気温で30〜40℃まで加熱された冷媒は、最終的に90℃以上に達します。

③高温の冷媒が「水熱交換機」に流れ込み、その熱が水に移ることで、お湯が作られるという仕組みです。

④熱を伝達した冷媒は「膨張弁」を通過し、低温かつ低圧に調整されて熱を吸収しやすくなり、再び①に戻ります。

このプロセス①〜④を繰り返すことで、安定した給湯が供給される仕組みです。

エコキュートの使用可能年数は何年？

エコキュートの寿命は約10年とされることが一般的ですが、使用頻度や設置環境などの条件によって変動します。

エコキュートの耐用年数の指標

【故障事例】もしかすると、これがエコキュート交換の兆候かもしれません！

エコキュートの交換の必要性を示す兆候として、3つの故障事例を取り上げます。これらの事例を理解しておくことで、交換時期を見極める手助けとなるでしょう。

エコキュート交換のサイン① お湯が全然出ないか、もしくは少量しか出ない。

エコキュートの代表的な故障事例には、「お湯が出ない」または「お湯の出が悪い」といったものがあります。

• お湯が全然出ない
• 少ししかお湯が出ない

お湯がちょろちょろとしか出ない、または出たり出なかったりを繰り返すなど、さまざまな症状が現れることがあります。このようなエコキュートの問題には、次のような原因が考えられます。

【貯湯タンクの中身がなくなっている】

エコキュートのお湯が出ない理由の一つとして、貯湯タンクの中のお湯が空になっていることが挙げられます。エコキュートはタンクに蓄えたお湯を使用するため、タンク内のお湯がなくなると供給されません。普段よりお湯の使用量が増えるとお湯切れしやすくなるため、リモコンで定期的に残湯量をチェックしましょう。

【断水している】

エコキュートからお湯も水も出ないときには、断水の可能性があります。断水が発生すると水の供給が止まるため、お湯も水も出なくなります。貯湯タンクに水が残っていても、水道水の圧力がなければ水やお湯を蛇口から出すことはできません。断水が起きた際には、水道局や自治体から通知があるので、水道が復旧するのを待ちましょう。

【給水ストレーナーにゴミ・汚れが溜まっている】

給水ストレーナーにゴミや汚れが溜まると、お湯が出ない原因となります。給水ストレーナーは給水配管とタンクの接続部分にあるフィルターです。このフィルターにゴミが溜まるとお湯の流れを妨げ、お湯が出にくくなります。給水ストレーナーのゴミや汚れは自分で取り除けるので、定期的な掃除をおすすめします。徹底的な掃除をしたい場合は、専門業者に依頼しましょう。

【配管が凍結している】

冬場の外気温が低くなると、配管が凍結することがあります。配管の凍結は故障ではないので、すぐにお湯が必要なときは、配管にタオルを巻き、その上からぬるま湯をかけて解凍を試してみてください。

【混合水栓が故障している】

混合水栓が故障すると、エコキュートからお湯が出なくなります。混合水栓の故障は専門の修理業者に依頼する必要がありますが、修理費用が2万円以上かかることもあるため、修理よりも新しい混合水栓に交換する方が経済的な場合もあります。専門業者に修理を依頼するか、新しい混合水栓と交換するかを検討してください。

【配管が水漏れしている】

エコキュートの配管から水漏れがあると、お湯が出ない原因となります。本体内部の配管からの水漏れが制御基板に触れると、ショートしやすくなります。また、ヒートポンプと貯湯タンクをつなぐ配管から水漏れが発生しても、お湯を作ることができません。エコキュート内部や専用配管の修理は、一般の水回り業者では対応していないため、エコキュートの配管の水漏れは専門業者に依頼する必要があります。

【止水栓が閉じている】

止水栓は貯湯タンクに連結しているため、閉まっていると給水が止まります。エコキュートは給水圧を利用して貯湯タンクからお湯を供給します。特に、エコキュートの初回設置や修理時には、止水栓が閉じていることが多いです。一度、止水栓が開いているかどうか確認してください。

それでもお湯が出ない場合は、専門業者に修理や交換の依頼を検討してください。

エコキュート交換サイン② お湯ではなく水しか出ない

水だけが蛇口やお風呂から出る場合があります。

最初に、貯湯タンクにお湯が残っているか確認しましょう。リモコンの表示でこれを簡単にチェックできます。

リモコンに「湯切れ」と表示されていないにもかかわらずお湯が出ない場合は、エコキュート本体に問題があるかもしれません。

• 温度調整を担当している基盤が経年で劣化している
• 温度検知器などの部品に故障が発生している

こういった状況でも、エコキュート本体をリセットすることで問題が改善されることがあります。

＜エコキュートのリセット方法＞

エコキュートのリセット手順は以下の通りです。

1. エコキュート本体（室外機）の「漏電ブレーカー」にあるテストボタンを押します。
2. テストボタンを押すと、漏電ブレーカーがOFFになります。
3. 約30秒後に、漏電ブレーカーを再びONにします。

漏電ブレーカーをONにしても水温が変わらない場合、温度調整基盤や温度検知器が故障している可能性があります。

その際は、エコキュートの専門業者に修理や交換を相談してください。

エコキュート交換サイン③ シャワーの温度が安定しない

シャワーの温度が一定しない場合、エコキュート本体のトラブルだけでなく、他にも原因があるかもしれません。

＜お風呂やキッチンなど、複数の場所でお湯の温度が一定しない場合＞

エコキュート本体に不具合が生じている可能性があります。

＜キッチンの給湯は温度が安定しているのに、シャワーの温度が安定しない場合＞

シャワーのサーモスタット水栓に問題が発生しているかもしれません。

サーモスタット水栓（または混合水栓）とは、お湯と水を適切に混ぜて一つの蛇口から出水する水栓金具です。まずはサーモスタット水栓の設定温度を少しずつ調整し、適温が出るか確認してみましょう。

それでも改善しない場合は、サーモスタット水栓の故障が考えられます。サーモスタット水栓には水量と温度を調節するレバーがついていますが、レバーの故障が原因でお湯の出が悪くなったり、水温の調整がうまくできなくなることがあります。

この場合には、水栓の修理とエコキュートの修理・交換の両方に対応できる業者に依頼することが必要です。

エコキュートの交換時期を早める可能性のある行為

エコキュートの使い方によっては、その耐用年数が短くなってしまう可能性があります。10年とされる寿命をさらに延ばすためには、次に挙げる行為はできるだけ避けるべきです。

交換時期を早める要因① 禁止されている入浴剤を使う

エコキュートの故障を招く原因となるため、一部の入浴剤の使用が禁じられています。これらの入浴剤に含まれる成分がエコキュート内部の部品を腐食させるからです。多くのメーカーでは、以下の入浴剤の使用を推奨していません。

＜使用を避けるべき入浴剤の例＞

• 酸性やアルカリ性の成分が含まれているもの/li>
• 炭酸カルシウムが含まれているもの
• 硫黄成分が含まれているもの
• 塩分が含まれているもの
• 薬草などの固形物を含むもの

上記はあくまで一例です。使用できる入浴剤はメーカーや機種によって異なりますので、エコキュートの説明書をよく読み、許可された入浴剤を使用することが重要です。

なお、使用可能な入浴剤の中にも、追い焚きの際に使用が禁止されているものがあります。追い焚きによるお湯の循環で、入浴剤が排水口を詰まらせる恐れがあるためです。追い焚き時の使用可否も確認し、適切な入浴剤を選んでください。

交換時期を早める要因②: 水質に適合していない機種の使用

地下水を生活用水として用いる地域では、標準的なエコキュートモデルを使用すると耐用年数が短縮されることがあります。

これは、地下水や井戸水に含まれるカルシウム成分が関係しています。カルシウムはお湯が循環する際、内部の熱交換器で固形化する傾向があります。そのまま使用を続けると、固形化が進行し、最終的にはエコキュート内部で目詰まりを引き起こして故障の原因となるのです。

最近、多くのメーカーから「井戸水対応型エコキュート」が続々と販売されています。地下水や井戸水を生活用水として使っている家庭では、交換のタイミングで「井戸水対応型エコキュート」を選ぶことをぜひお考えください。

交換時期を早める要因③: 塩害地域・寒冷地域での使用

塩害地域や寒冷地域で一般モデルのエコキュートを使用すると、潮風によるサビや凍結によって故障が頻繁に発生し、耐用年数が短くなります。

このような地域にお住まいの方は、「塩害地域用エコキュート」または「寒冷地域用エコキュート」を選ぶようにしましょう。

交換時期を早める要因④: 日常的なメンテナンスの不足

エコキュートはすべての住宅設備と同じく、日々の適切なメンテナンスを怠ると、耐用年数が短縮されます。

貯湯タンクの水抜きやお風呂のフィルター交換、配管清掃などの定期的なメンテナンスを実施することが大切です。

エコキュートの交換を希望しても、供給不足のために実現できない事態

新型コロナウイルスの広がりに伴い、2020年から2021年に発生した「世界的な半導体不足」により、エコキュート本体の供給と在庫が不足しました。
エコキュートにはセンサーやその他の精密機器に多くの半導体が使われており、生産と供給が追い付かないため、交換や新規購入を行いたくても、エコキュート本体の入荷に半年以上待たされることがよくありました。
感染症や災害などの影響により、「エコキュートの交換が困難な状況」がいつ再発するかは不明です。耐用年数が近いエコキュートを使用している方は、日常的なメンテナンスを怠らずに行うことが重要です。
また、予期せぬ事態に備えて、在庫が豊富な交換工事業者をあらかじめリストアップしたり、交換予定のエコキュートの機種を選定しておくなど、エコキュートが故障した場合でも迅速に対応できるような事前準備を整えることが大切です。

エコキュート交換費用の相場について

ここからは、エコキュートの交換費用の内訳と相場について説明します。

古いエコキュートから新しいものに交換する際の費用の相場は、通常約30〜60万円です。

この費用には「本体価格」と「交換工事費用」の2つが含まれます。なお、本体価格を決めるには「貯湯タンクの容量」を選ぶことが必要です。それぞれの詳細について見ていきましょう。

交換費用の内訳①【本体価格】

エコキュート本体の価格は、約30〜50万円となっています。価格はエコキュートの機種、給湯タイプ、および貯湯タンクの容量によって異なります。
※詳しくは「エコキュートの価格に影響する要素」にて解説しています。

エコキュートの価格に影響する要因としては、「給湯タイプ」と「貯湯タンクの容量」の2つがあります。

給湯タイプ

エコキュートには、「フルオートタイプ」「オートタイプ（セミオート）」「給湯専用タイプ」の3種類の給湯タイプがあります。それぞれのタイプによって、本体価格や交換工事費用が変わるため、しっかり確認しておくことが大切です。

フルオートタイプ

フルオートタイプは、自動お湯はり、足し湯、追い焚き、沸き増し、お湯はり予約、配管清浄運転、非常用水取出しなど、多彩な給湯機能を持つ最高級機種です。

常に理想的な温度でお風呂に入れる一方で、電気代がやや高くなることがあります。

オートタイプ（セミオート）

自動お湯はり、手動での足し湯、沸き増し機能、お湯はり予約、非常用水取出しなどの機能が搭載されたミドルレンジのモデルです。

追い炊き機能がないため、自動での足し湯はできず、お風呂が冷めた場合には手動での足し湯が必要です。

フルオートタイプよりも設置費用が低く、消費電力も少ないため光熱費の節約が期待できます。

また、機能が少ない分、故障のリスクも減少するのが特徴です。

給湯専用タイプ

この給湯専用タイプのエコキュートは、給湯機能に特化しており、蛇口からお湯を供給するシンプルな設計が特徴です。

操作が簡単で、穴あけや配管工事が不要です。フルオートやセミオートタイプと比べて本体価格が安価である点がメリットです。

しかし、給湯専用のため、時間が経つとお湯が冷めることがあります。また、湯船にお湯を張る際には、所定の量になった後に手動で蛇口を閉じる必要があります。

そのほか：多機能タイプ

エコキュートの多機能タイプには、給湯機能に加えて「床暖房」の機能が備わっています。

このタイプでは、エコキュートで温めたお湯を「温水式床暖房パネル」に循環させることで、床面を暖めることが可能です。床暖房用の熱源機が不要なため、部屋のスペースを広く使え、電気代も電気式ヒーターの約1/4に削減できるのが特長です。

初期費用はやや高めですが、長期的には光熱費の節約に繋がるため、コストパフォーマンスが良いです。

貯湯タンク【人数別おすすめ容量】

エコキュートの貯湯タンクは、「370L」「460L」の2種類に加え、「550〜560L」の3種類が一般的に提供されています。

最近では、お湯の使用量が少ない少人数の家庭向けに、小容量の「370L以下」の貯湯タンクも販売されています。

貯湯タンクの価格は容量が大きいほど高くなるため、家庭での使用量に応じた適正な容量を選ぶことが重要です。

まず「1日の使用湯量」を見積もることから始めましょう。一般的な1日の湯量の目安を把握することが必要です

＜1日の平均使用湯量：一人あたり＞

1. 湯船のお湯はり：180L（1回）
2. シャワー：50L
3. 洗面：10Ｌ
4. 手洗：10Ｌ
5. 洗濯：10Ｌ

この湯量の目安を使って、4人家族が1日に必要な湯量を概算してみます。

あくまで概算ですが、4人家族の家庭では「500L」を基準にするのが適切です。

また、貯湯タンクの選定時には、タンクの容量以上の湯量が必要になる場合があることも考慮しておきましょう。

エコキュートは、タンクに貯めた高温のお湯を水道水と混ぜて適切な温度に調整するシステムです。※詳しくは、こちらをご確認ください。

このため、貯湯タンクの容量の約2倍の湯量が使用できるのです。ただし、貯湯タンク内のお湯は徐々に温度が下がるため、実際に使える湯量は2倍にはならず、また設定温度や水道水の水温によっても変動します。

貯湯タンク容量370L：2〜3人家族に最適

容量370Lのエコキュートは、最も一般的なタイプです。2〜3人家族の1日の使用湯量＜約410〜550L＞に対応するのに十分な容量があります。

この370Lの容量は、多くのメーカーで3〜5人家族に推奨されています。ただし、4〜5人家族で湯量が多い家庭では、少し不足するかもしれません。

湯切れを起こすと、電気代の高い昼間に「焚き増し」をしなければならず、電気代が増え、省エネ性能の効果が台無しになってしまいます。

370Lと460Lのタンクは市場価格に3万円程度の差があります。4〜6人家族には、460Lの貯湯タンクを選ぶことをおすすめします。

貯湯タンク容量460L：4〜6人家族向け

一般的なエコキュートモデルである容量370Lは、4〜6人のご家族におすすめです。実際の湯量は460〜690L程度になり、十分に対応可能です。

ただし、5〜6人家族で多くのお湯を使うご家庭には、550〜560Lの貯湯タンクをおすすめします。

貯湯タンク容量550〜560L：6人家族以上におすすめ

550〜560Lの貯湯タンクは、エコキュートの最大容量モデルです。このサイズは、6人以上の家族で多くのお湯を使う場合に最適な容量です。

交換費用の内訳②【交換工事費用】

交換工事費用は約10万〜20万円です。基本的な作業なら10万円前後で済みますが、浴槽循環器の取り付け工事が含まれる場合は、15万〜20万円ほどの費用がかかります。

＜交換工事で発生する追加費用＞

① 既存設備の撤去処分費用

古いエコキュートを処分するための費用で、相場はおおよそ1万円です。

② 浴槽循環器設置費用

エコキュートの給湯タイプを変更する際にかかる工事費用で、相場は約1〜1.5万円です。

③ 電気工事の料金

エコキュートの新設には、次のような料金が発生します。

• 分配器の交換：3万円〜6万円
• 幹線の貼り替え：3万円〜4万円
• 電力会社への申請代行：2万円〜4万円

エコキュートを交換する際、既存の電気設備を利用する場合は追加の工事費は発生しません。

ただし、設置場所の変更などを伴う場合には、その分の費用がかかります。

電気工事費は特に複雑なので、信頼できる専門業者に見積もりを依頼することが重要です

今すぐエコキュートを交換すべき3つの理由

なぜ今、エコキュートの交換が必要なのか？その3つの理由を解説します。

理由① 年間の給湯保温効率が上がっているため、電気代が安くなる

年間給湯保温効率とは、「エコキュートが一年間を通して、どれだけ効率的に省電力で給湯および保温できるか」を示す数値です。

この10年間で、エコキュートの年間給湯保温効率は大幅に改善されました。

• 2010年の平均値：2.5〜3.0
• 2021年の平均値：3.0〜4.0

年間給湯保温効率が3.0のモデルと4.0のモデルを比較すると、電気代が概算で約3割異なることになります。

例えば、年間15万円を給湯の電気代として支払っている家庭では、3割の節約が可能な場合、年間で5万円の節約が期待できます。

これを10年間続けると、合計で50万円もの節約が見込める計算になります。

理由② 新しい機能で生活を豊かに

最新のエコキュートには、10年前にはなかった多くの新機能が装備されています。非常に便利な機能が追加されており、あなたの生活を豊かにすることは間違いありません。

＜新機能一例＞

• スマートフォンと連動し、自宅から離れた場所でも操作が可能
• 浴槽内に微細な泡を噴出し、入浴後の保温性を高める
• お湯はり後に深紫外線を照射してお湯を除菌し、水質を保つ

また、ここ10年間の震災の教訓を活かし、耐震性能も大幅に向上しています。

理由③ 古いモデルは修理が不可能になることが多い

10年以上経過したエコキュートの古いモデルは、基本的に部品交換による修理ができないと考えていいでしょう。

なぜなら、多くのメーカーが修理用部品の保有期間を10年と定めているからです。

そのため、10年以上経ったエコキュートは、修理しようにも部品が手に入らない状況になります。メーカー側も、エコキュートが10年を超えたら計画的に買い替えることを推奨しています。

エコキュートを交換すると補助金が支給されます！

エコキュートを交換すると、自治体から約1〜18万円の補助金が支給されます。 この補助金の目的は、省エネ性能が高いエコキュートの普及を早め、日本国内や地球全体の温室効果ガスを減少させることです。

ただし、補助金の有無や金額は自治体によって異なりますので、エコキュートの設置を希望する場合は、まずは自分の地域の自治体に確認することをお勧めします。

ここでは、補助金申請の一般的な方法をご紹介します。

エコキュート補助金申請の流れ

エコキュートの補助金を申請する際の一般的な手順をご紹介します。申請方法は自治体によって異なりますので、お住まいの地域の自治体に詳細を確認してください。

① 自治体で補助金制度の確認

まず、自治体の担当部署に問い合わせて、補助金制度の有無と申請方法を確認します。

② 必要書類の準備と提出

自治体から指示された書類を、工事着工前または着工後に提出します。提出タイミングは自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

③ 承認後の工事実施

申請から約10日以内に「決定通知書」が届きます。この通知を受けた後に工事を行います。

④ 工事完了の報告

工事が完了したら、自治体の担当部署にその旨を報告します。

⑤ 補助金の振り込み

報告後に補助金が振り込まれ、申請手続きが完了します。

エコキュートの交換を依頼するなら、どの業者が良い？

エコキュート交換をお願いできる代表的な4種類の専門業者があります。

• エコキュート交換工事業者(ネット検索)
• ハウスメーカー
• 家電量販店
• リフォーム業者

ここでは、各業者のメリットとデメリットを解説していきます。

エコキュート交換工事業者(ネット検索)

インターネットで検索したエコキュート交換工事業者は、実店舗がなく、ネット上のみで事業を展開しています。また、専門スキルを持ったスタッフが揃っています。

ネットを活用して集客や申し込みを効率化し、低価格で交換工事を請け負う業者が多い点が魅力です。

そして、メールやチャットを通じて24時間いつでもお問い合わせ可能な点もメリットです。

ハウスメーカー

ハウスメーカーからエコキュートを購入することもできます。大手企業は生産体制が整っており、施工規格が統一されているため、一定の品質保証が得られることが魅力です。

ただし、ハウスメーカーはエコキュート以外の製品も扱っているため、依頼する事業所にエコキュートの専門スタッフがいない可能性があります。

結果として、交換工事の日程調整や商品の問い合わせに時間がかかることがあります。また、エコキュート本体や工事費用がやや高額です。

家電量販店

家電量販店でも他の家電製品と同じくエコキュートを扱っています。店頭で実際のエコキュートを確認しながら、店員と直接相談できることが大きなメリットです。

家電量販店の大きな魅力は、独自のポイントサービス特典です。ポイントを使うことで、市場価格より安くエコキュートを購入することができます。

さらに、タイミングによってはエコキュートをセール価格で購入することができます。他の専門業者よりもお得にエコキュートを手に入れる機会が多いのも魅力です。

デメリットとして、繁忙期には購入希望者が集中し、エコキュートの交換に時間がかかることがあります。また、交換工事は店舗スタッフではなく外部の下請け業者が行うため、技術にばらつきが生じる点にも注意が必要です。お店でお得に購入できたのに、交換工事のクオリティが低くて後悔するケースもあります。

リフォーム業者

リフォーム業者にエコキュートの交換を依頼する際のメリットは、施工技術が高いことです。

住宅設備の取り付けや外壁、内装などの施工経験が豊富なため、安心して交換工事を任せられます。さらに、地元のリフォーム業者に依頼すると、交換工事の対応が速い点も魅力です。

デメリットとして、エコキュートの交換工事のみでは対応してもらえない場合があります。また、リフォーム業者がエコキュートを重視していない場合、料金が割高になることがあり、注意が必要です。

エコキュート交換工事業者を選ぶ際の3つのポイント

これから、エコキュート交換工事業者を選ぶ際に役立つ3つのポイントを紹介します。

①複数業者に見積もりを依頼する

エコキュート交換工事業者を選ぶ際は、1社だけでなく複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。見積もりを複数取り寄せることで、工事費用の相場が把握できるようになります。

②電話で担当者と直接会話する

見積依頼時に担当者の対応を確認することは、業者選びの重要なポイントです。

交換工事までのやりとりがメールやチャットのみで進むと、実際の現場で初めて対面したときに、担当者の印象が悪かった……ということも起こり得ます。

このような事態を避けるために、契約前に少なくとも一度は直接電話で連絡し、業者の対応や雰囲気を確認することをおすすめします。

担当者が横柄な態度を取ったり、あいまいな回答しかしない場合、社員教育が不十分な可能性があります。このような業者は、交換工事の施工技術も疑わしいため、選択肢から外すのが賢明でしょう。

③施工実績を確認する

業者の技術力を見極めるには、その業者のホームページで施工実績をチェックするのが最も効果的です。多数の施工実績が公開されている業者は、それだけ施工技術に自信を持っている証といえ、安心して依頼できます。

また、業者の名前をインターネットやSNSで検索し、口コミを確認するのも重要です。実際の評判や他の顧客の体験談を把握しておきましょう。

エコキュートおすすめメーカー5選

ここでは、多くのエコキュートメーカーの中から、特に優れた5つのメーカーをピックアップしてご紹介します。

1：ダイキン

ダイキンは空調機器市場で国際的なシェアを持つ企業であり、エコキュート製品にもエアコンで磨かれたヒートポンプ技術が活用されています。この技術力の高さは、業界でも非常に評価されています。

【ダイキンエコキュートの特徴的な機能】

ダイキンエコキュートの特徴的な機能をお伝えします。

・パワフルな高圧給湯

ダイキンのエコキュートは、320kPaという圧力を実現しており、これは他のメーカーの製品よりも高圧設定です。通常の高圧給湯の約1.9倍に相当し、2ヶ所での同時給湯が可能なだけでなく、湯船にお湯を溜めるのも約11分という非常に速さを誇ります。

・ウルトラファインバブルでの入浴

専用アダプターを取り付けることにより、0.001mm以下の微細な泡を浴槽に発生させます。これらのウルトラファインバブルは水中で長く留まり、優れた温浴効果や美肌効果、さらに洗浄効果を提供します。

・ターボ沸き上げ

冬場など外気温が低くなり、沸き上げ機能が低下した際には、自動的にパワーアップ機能が作動して効率的に給湯を行います。電力料金の安い夜間に沸き上げが完了するよう自動で制御されるため、非常に経済的です。

高圧シャワーを好む方や、2階や3階でもたっぷりのお湯を利用したいご家庭に最適です。

2：三菱電機

三菱電機は、日本を代表する大手家電メーカーの一つです。「三菱エコキュート」は、先進の省エネ技術を取り入れており、年間給湯保温効率は「4.2」と非常に高い性能を発揮します。2020年には省エネ大賞を獲得し、業界の中でもトップレベルの省エネ技術を誇っています。

【三菱エコキュートの注目機能】

三菱電機エコキュートの特長的な機能をお伝えします。

・キラリユキープ

お湯に深紫外線を照射しながら給湯することで、深紫外線の力が菌の増殖を防ぎ、お湯の匂いとにごりを抑えます。この技術を使うことで、常に清潔なお湯でリラックスした入浴が可能です。

・バブルおそうじ

お風呂の栓を抜くだけで、自動で配管の洗浄を行う機能です。栓を抜き、水位の低下を感知すると、洗浄が自動的に始まります。お湯の循環が始まるとともに、約0.1mmのマイクロバブルが発生し、配管の皮脂汚れを吸着して効果的に洗浄します。

・ホットあわー

ボタンを押すだけで、約0.01ミリの微細な泡「マイクロバブル」を湯船に発生させます。マイクロバブルは、入浴後の皮膚表面の温度を通常よりも高く維持し、湯冷めを防ぎます。また、肌の水分量を増やし、長時間うるおいを保つ効果も発揮します。

清潔感や快適さを求めるご家庭には、この機能が特におすすめです。

3：コロナ

エコキュートを国内初で開発し、2001年に市場に投入した家電メーカーです。エコキュート業界の先駆者として知られ、多年にわたる経験と知識をもとに、高性能なエコキュートを開発しています。

【コロナエコキュートの特長的な機能】

コロナエコキュートの特長的な機能をお伝えします。

・ES制御

コロナは独自の高効率技術ES制御を導入し、エコキュートの三大機能である「沸き上げ機能」「給湯機能」「保温機能」に独自のノウハウを駆使した技術を投入。年間給湯保温効率「4.0」を達成し、効率の高い給湯システムを実現しています。

・自動配管洗浄

お風呂の栓を抜いて排水することで、エコキュートが自動的に配管を洗浄します。

・貯湯ユニット内の配管ステンレス化

貯湯ユニット内の配管を銅からステンレスに変更し、耐腐食性と耐久性を向上させています。

4：パナソニック

引用：パナソニック株式会社 公式サイト https://sumai.panasonic.jp/hp/

パナソニックは、日本の老舗メーカーで、エコキュート市場では三菱電機と競い合いながら国内トップシェアを持っています。二酸化炭素（CO2）削減に有効なヒートポンプ技術に力を入れており、他のメーカーよりもエネルギー効率が高く、高性能なエコキュートを販売しています。

【パナソニックエコキュートの注目機能】

パナソニックエコキュートの特長的な機能をお伝えします。

・AIエコナビ

浴室の出入りをセンサーが感知し、設定温度に達するまで自動でお風呂を加熱します。これにより、入浴時には常に快適な温度のお湯を楽しめます。また、AIはお湯の冷却パターンを学習し、浴室不在時の不要な温度チェックを省略することで、省エネ性能を向上させています。

・リズムeシャワープラス

シャワーの流量と温度を一定のリズムで変動させることで、エネルギー効率が向上します。この機能により、最大約20％の省エネ効果と、最大10％の節水効果が得られます。

・ぬくもりチャージ

入浴後の残り湯の熱を活用し、夜間の沸き上げにかかるエネルギーを節約します。この機能により、翌朝のお湯張りに使用するエネルギーを最大で10％削減できます。

5：長府製作所

長府製作所のエコキュートは、主要な大手メーカーに次ぐ優れた省エネ性能で評価されています。

年間給湯保温効率「4.0」という高い数値は、コロナや三菱電機と並ぶ性能を誇る証拠となっています。

【長府製作所エコキュートの主な機能】

長府製作所エコキュートの特長的な機能をお伝えします。

・ecoとく運転

残り湯の熱を最大40%まで回収し、新しいお湯を沸かす際に必要なエネルギーを削減します。これにより、空気からの熱取り込みにかかるエネルギーを節約できます。

・沸き増し停止機能

電気料金が高い昼間における沸き増しを停止することで、エネルギー消費を抑え、省エネを実現します。

・マイクロバブル浴

マイクロバブル対応のアダプターを取り付けると、浴槽内に20マイクロメートルの微細な泡が生成されます。これにより、30〜40℃のお湯でも入浴後に暖かさが持続します。

まとめ：エコキュートを今すぐ交換するのがベストタイミング！

この記事では、エコキュートの交換に関する情報をお届けしました。

新しいエコキュートは、省エネ性能が大幅に向上しており、ランニングコストを抑えることが可能です。さらに、多くの新機能が生活のクオリティを高めてくれます。

もし現在使用しているエコキュートが10年を超えている場合、省エネ効率が落ち、電気代が増加する恐れがあります。加えて、機器の老朽化により故障のリスクも高まります。

10年以上使用しているエコキュートがあるなら、この記事を参考に新モデルへの交換を検討してみてはいかがでしょうか？

新しいエコキュートへの交換によって、エネルギー効率が向上し、長期間にわたってコストを削減することができます。

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